跡を継がせよう。そう思っていた店長が、辞めていく。そんな経験はありませんか。「お店を出します」「独立がしたい」。それならまだいいんです。美容業界に残るわけですし、グループの一員として一緒に歩んでいく道だって残っています。だけど本当に困るのは、美容師そのものを辞めてしまうこと。新人のときから一所懸命に育ててきて、店長にまで成長してくれたスタッフが、美容から離れる。つまり、将来が見えない。食べていけない。夢が描けない。それはつらい。
店長だけではないんです。新人だって辞めていく。ある美容室は、1年で約15%が辞めるけど、それは自然減だと考えている、と。美容学校を卒業して美容室に就職する人の数は、約1万6000人。もしその15%が本当に1年で辞めるとしたら、2400人。これでいいのでしょうか?
美容業界は迷っています。この先どうやって美容室を経営していくのか。どうやって若者たちに夢を描かせてあげられるのか。豊かな未来を約束できるのか。答えが見つからないのです。
昔はもっとシンプルでした。のれん分けなら銀行に行って「この店長をいよいよ独立させます」。融資の条件はオーナーが連帯保証すること。「わかりました」「おめでとう」「がんばれよ」。
あるいは完全独立だって、メーカーさんやディーラーさんが最大限のサポートをしてくれる。ときには出店費用の捻出さえも…。サポートの前提となっていたのは、美容室を出せばお客さまが来る。幸福な時代でした。