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アイディアのレシピ -思想を広げる-


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“ハイパーメディアクリエイター”として知られる高城剛氏は「アイディアと移動距離は比例する」と言っていますが、確かに、移動して、自分を置く環境を変えるとこれまでに自分の中に無かった視点で目の前の課題に解決策が見えてきたりします。

普段から、私は、よく歩くようにしているのですが、それは、歩いていると、目の前の景色がぐんぐん変わっていくことが脳の良い刺激になって、ぐんぐんと思想が広がるからです。

他に、適度に体を動かしていることで、リラックス状態になっていることも大きいと思います。歩いている時は、あえて深く物事を掘り下げて「考える」ことはしません。「空がキレイだな」「花が咲いたな」「コーヒー飲みたいな」と次々と頭に浮かぶ「思い」をただ、ゆるやかに眺めながら、ひたすらてくてくと目的地を目指します。

この「思想を広げる」作業が私は、アイディアを思いつくためにとても重要なプロセスだと思っています。第一回の記事でも、「思う」と「考える」は違う、ということを書きましたが、考えるためには思うことも必要なんです。

「考える」というのは、普段「思う」ことをまとめる作業です。だから、そもそも何かを「思う」機会が少なければ少ないほど、「考える」ことは困難になります。「思い」を思いっきり広げる機会を日常の中にたくさん持つことは、「考え」を育てることになるんです。そのために、いろいろなものに触れて、ふわふわと思いを自分の中に広げる時間も生活の中には必要です。

映画を見る。カフェに行く。小説を読む。散歩する。子供と遊ぶ。買い物に行く。お風呂に入る。友達と喋る。美味しいものを食べる……そういった、人間的な活動をしている時こそ「思い」が広がる時間です。

宇多田ヒカルさんが、2010年から2016年まで「人間活動」のために、活動を休止していたことは皆さんの記憶にも新しいと思いますが、もっと身近な例で言うと、私の周りのクリエイターにも、一か月、半年、一年、と自分で期間を区切って、休むことに専念する人が増えてきています。

お休みをつくり、心身ともに休む時間は、実は「思いを広げる時間」と定義づけられるのではないでしょうか。その時間に広がった思いを、ぐっとまとめあげる時、それまでとは違う、新しいインプットに出会えるのだと思います。

 

アイディアのレシピ
はあちゅう【クリエイティブ】 多数の女性向け商品やサービスをプロディースしてきた【はあちゅう】の、アイディアを生み出すライフハックエッセイ コラムはこちら
はあちゅう(ブロガー・作家) 1986年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、カリスマ女子大生ブロガーとして活躍。電通、トレンダーズを経てフリーに。「ネット時代の作家のかたちをつくる」ことを目標に、オンラインサロンや月額課金コンテンツ「月刊はあちゅう」の運営など、表現の場所を広げている。近著に「半径5メートルの野望」(講談社)、「かわいくおごられて気持ちよくおごる方法」(幻冬舎)、「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月」(角川書店)など。 facebook twitter ブログ


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