ホーム > 【『道を継ぐ』刊行記念対談】人生に迷ったらカリスマ女性美容師に聞け! apish樋口いづみさん(後編)〜仕事もプライベートも両方あきらめない!〜

【『道を継ぐ』刊行記念対談】人生に迷ったらカリスマ女性美容師に聞け! apish樋口いづみさん(後編)〜仕事もプライベートも両方あきらめない!〜


49歳でその生涯を閉じた伝説の美容師鈴木三枝子さんを描いた『道を継ぐ』(アタシ社)が、「私もこんな風に生きたい!」「女友達みんなに読ませたい!」と大反響。なぜいま、女性美容師の生き方がこれほどまで一般の女性に支持を受けているのでしょうか。 『道を継ぐ』の著者の佐藤友美さんと、カリスマ的人気を誇る女性美容師さんの対談連載です。

※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36172/

【後編】仕事もプライベートも両方あきらめない!

人気サロンapishのトッププレイヤーとして活躍する樋口いづみさん。対談の前半では、「子どもを言い訳にしない」子育てで、スタッフの信頼を勝ち得てきた話を伺いました。後半は、ご自身のブランディングや自己プロデュース、さらには大人女性におすすめのアレンジ法も伺います。(前編の記事はこちら

「自分らしさ」はお客様に支持されてから考えられるようになった

見た目をプロデュースするのも仕事のうち

佐藤:近年、美容師さんにとってSNSでヘア写真やライフスタイルを発信することが当たり前になっていて、そこでの人気がそのままお客様からの人気にも直結していると感じます。自分をどのように表現すべきかは、多くの女性が直面する悩みのひとつですけれど、樋口さんの場合、意識的に自己プロデュースされてきたんですか。

樋口:実はスタイリストになりたてのころは、どういう自分になっていいのかずっともやもやしていたんです。童顔だったので、好きな洋服ばかり着るな、着るなら売れてからにしろと言われていました。当時は「自分らしさ」を出すのではなく、どちらかというとお客様一人ひとりに合わせて、違う「樋口いづみ」を演じていたと思います。 お客様ごとに違うキャラで接していたので、私が担当するお客様は、必ず席を離してご案内していたほどです。

佐藤:そうだったんですね!

樋口:私、お客様との会話って、次会うときまで絶対忘れないんですよ。お客様自身が忘れた話も、私は全部覚えているくらい。

佐藤:すごいですね!それはカルテに書いているんですか?

樋口:書いたりはしていません。多分、聞いた話を忘れてしまう美容師は適当に相槌を打ってるから忘れるんだと思います。真剣に話を聞いていたら、その話を忘れたりしないですよ。

佐藤:ものすごい人数のお客様の話を全部覚えているなんて、とことんお客様に寄り添ってらっしゃるんですね。すごいことですね…。
以前は「自分らしさ」よりも相手に合わせることを優先していたとのことですが、今の樋口さんは、SNSでも雑誌でも母娘で注目を集める憧れの存在です。私たちが知っている、あのキュートな「樋口さん像」は、いつ作られたのでしょうか。



樋口:お客様がつくようになってからは、好きな服を着れるようになったし、本来の「樋口いづみ」らしさを表現できるようになりました。 いつまでも、こんな若い子が着るような服ばかり着ていていいのかなあと、自分ツッコミするときもあるんですが、たまに大人っぽい格好をしていくと、逆にお客様から「洋服地味じゃない、どうしたの?」などと言われることもあるくらいなので、うーん、ま、いいか、と(笑)。

仕事もプライベートも両方あきらめたくない!

佐藤:SNSで発信するときは、何かテーマを決めているんですか。

樋口:仕事かプライベートかのどちらかではなく、両方楽しみたいし、両方あきらめたくない。その気持ちを大事にしています。

佐藤:すごくすてきなことだと思います。だからこそ、樋口さんの働き方や生き方が、たくさんの人の憧れになっているんでしょうね。

樋口:SNSでは「みんなは働いているのに、ごめんね、私は休んでて」と思いながら休日の写真をアップしているけど、それを周囲も「お前は仕事とプライベート、両方幸せそうにやっている感じがいいんじゃない」と認めてくれている。それが嬉しいです。

寂しい思いをさせているからこそ、一生懸命働きたい

佐藤:美容師をやり、プレスもやり、おしゃれも楽しみながら、お子さんのお弁当も作って、ブログも書いて…。樋口さんのその無尽蔵のエネルギーはいったいどこから来るのでしょうか。

樋口:以前は仕事がエネルギーの源でしたが、今では娘の存在が大きいと思います。子どもにはどうしても寂しい思いをさせて働くことになるじゃないですか。そこまでして働くのだから、子どものためにも一生懸命働きたいと思うようになりました。

佐藤:その気持ち、わかります。私も以前、ハロウィンの日をすっかり忘れていて、息子にすごく寂しい思いをさせたことがありました。そのときは「ダメな母でごめん」って、人生で一番くらい落ち込みましたね。それがあるから、仕事でも一切手を抜けないし、より頑張りたいと思えます。

自分を変えたい人のための、簡単ヘアアレンジ

30代には流行りの「波巻き」NG

佐藤:働く女性のなかには、自身の美容に時間を割けない人もいると思います。忙しい30代の女性に向けて、おすすめのヘアアレンジやアドバイスはありますか。

樋口:今は波巻き(波のようなゆるい巻き髪)などルーズな髪型が流行っているのですが、30代半ばを過ぎた女性にとっては、ルーズなヘアは老けて見えるから絶対NGです。
大人の女性には、後れ毛を出しすぎないようにとアドバイスします。いまどきのルーズ感を出したいなら、おすすめなのは耳周りをきちんと整えて頭頂部は崩すようなヘアアレンジですね。

「おまかせ」に挑戦して、殻を破ってほしい

佐藤:「思い切って自分を変えたい!」という人には?

樋口:あえて美容師さんにおまかせで切ってもらうのがいいと思います。私はスタッフにおまかせで切ってもらうのですが、その度に違う自分を発見できます。冒険してみるのは怖いかもしれませんが、変われない人ほど殻を破ってほしい。

佐藤:髪型がちょっと変わるだけでもその人のイメージは変わるし、どう話しかけられるかも変わります。すると、その人の扱われ方まで本当に変わりますからね。

樋口:髪型が難しかったら服装からトライするのもいいかも。安いものでいいので、普段はかないようなスカートを買ってみるとか。服なら失敗してももう着なければいいわけですしね。「30代や40代はこうあるべき」という思い込みがあるかもしれませんが、お休みの日だけでも思い切って、新しいタイプの服に挑戦してほしいと思います。

撮影/中村彰男

対談を終えて

数人でスタートした美容院apishを女性ならではの視点でサポートし、結婚・出産後も活躍できることを自らの働き方で示した樋口さん。印象的だったのは、経営者や目上の先輩の意見に反対するときは「必ず代わりの案を持っていく」と言ってらしたこと。自分たちが働きやすい環境を自分で勝ち取ってきた、強くしなやかな働き方を垣間見ました。(佐藤友美)

※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36172/

プロフィール

樋口いづみ(ひぐち・いづみ)

「apish」スタイリスト兼プレス担当。スタイリスト歴17年。坂巻哲也氏の経営するapishのオープニングメンバーとして参加。美容業界では、「ヘアアレンジの女王」と言われており、女性ならではの感性を生かしたスタイル提案が得意。7歳の女の子を持つママ美容師としても雑誌やセミナーで活躍しており、女性美容師はもちろん一般女性にとっても憧れの存在となっている。
佐藤友美(さとう・ゆみ)

日本初のヘアライター&エディター。ファッション誌やヘアカタログの「髪を変えて変身する企画」で撮影したスタイル数は4万人分を超える。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、セミナーや講演を聞いた美容師はのべ2万人を超え、これは全国の美容師の20人に1人の割合にあたる。著書に7万部突破のベストセラーとなった『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、発売即重版となった『道を継ぐ』(アタシ社)などがある。

『道を継ぐ』とは?

49歳でスキルス胃がんによってその生涯を閉じた伝説の美容師・鈴木三枝子を描いたノンフィクション。今なお人々の心に残り、動かし続ける彼女のメッセージとはどのようなものなのか。1年半の歳月をかけ、191人の関係者に取材を敢行した先にたどり着いた「答え」は、働く女性にとって、強く心に響くものがある。「働き方・生き方を見直すきっかけになった」と、年代・世代を超えて感想が寄せられており、業界を超えて大きな反響を巻き起こしている。

「人生に迷ったらカリスマ女性美容師に聞け!」連載バックナンバーはこちら。

※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36172/
※当記事の原稿および画像はHAIRに帰属するため、無断転載・ダウンロードは禁止します。


記事一覧