ホーム > 【『道を継ぐ』刊行記念対談】人生に迷ったらカリスマ女性美容師に聞け! UMiTOS 砂原由弥さん(後編)〜「ちょっとした冒険」が女のステージを上げる〜

【『道を継ぐ』刊行記念対談】人生に迷ったらカリスマ女性美容師に聞け! UMiTOS 砂原由弥さん(後編)〜「ちょっとした冒険」が女のステージを上げる〜


49歳でその生涯を閉じた伝説の美容師・鈴木三枝子さんを描いた『道を継ぐ』(アタシ社)が「私もこんな風に生きたい!」「女友達みんなに読ませたい!」と大反響。なぜいま、女性美容師の生き方がこれほどまで一般の女性に支持を受けているのでしょうか。『道を継ぐ』の著者の佐藤友美さんと、カリスマ的人気を誇る女性美容師さんの対談連載です。

※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36176/

【後編】「ちょっとした冒険」が女のステージを上げる

表参道の人気サロン・UMiTOS代表の砂原由弥さん。後編は、人間関係を円滑にするコミュニケーションに加え、ヘアアレンジの秘訣についても伺いました。(前編はこちら

家族を育てるようにスタッフに向き合う

リーダーシップではなく「お母さんのしつけ」で人を導く

佐藤:UMiTOSでは、男性スタッフも多いなかで、みなさん辞めずに砂原さんについてきていますよね。離職率の高い美容業界で、すごいことだと思っているのですが、女性がリーダーシップをとってスタッフを引っ張っていくために、どういうことをされていますか?

砂原:たしかに「女性がトップに立っているのに、よくスタッフがついてきているね」と言っていただけることもあります。もしうまくいっているのだとしたら、システムで人を教育しているんじゃなくて「慈愛」で人を教育しているからだと思いますね。

佐藤:以前、砂原さんにスタッフ教育の話を聞いたとき、「お母さんのしつけ」のようだと感じましたが、「慈愛」の教育とはそんなイメージでしょうか?

砂原:そうですね、家族を育てている感じです。家族と同じだからこそ、まずは健康でいてほしい。だからUMiTOSではちゃんとしたごはんを食べるという「食育」も、教育の大きな柱のひとつとして欠かせません。管理栄養士を雇って、キッチンも用意してスタッフ全員のごはんを作ってもらっています。

佐藤:こういう部分で目をかけてもらえると、単なる経営者と従業員という関係性ではなく、スタッフさんも深い愛情を感じるでしょうね。そういった土壌があったうえで、一対一で向き合っていく、ということでしょうか。

砂原:システムに沿った教育はやりやすいかもしれませんが、平凡じゃないスタッフを育てるには、やはり一人ひとりに時間をかけないといけないですね。

「心の癖」をなくして、職場の人間関係を改善する

佐藤:スタッフさんとの会話で意識されていることはありますか?

砂原:実は私、心理カウンセラーの資格を持っているのですが、人は他人を見るとき、つい自分の方が優れている部分から見てしまう癖があるってご存知でした?

佐藤:初めて知りました!それは、肌がきれいな女性ほど、肌がきれいじゃない女は女と認めないとか?

砂原:そう(笑)。そういう人ほど人間関係がうまくいかなくて仕事を辞めていくんですよね。「自分はできるのに、あの人はできない」と思ってしまうから。

佐藤:なるほど!

砂原:そういった「心の癖」はどの人にもあるので仕方ないのですが、自分のものの見方に「癖」があることを知って、一人ひとりが「自分と違うこと」をリスペクトできるようになると、人間関係はぐんと良くなっていきますよ。

佐藤:若者の退職率が上がっている大きな理由が、人間関係ですからね。自分の「心の癖」に自覚的になるだけでも、コミュニケーションがうまくいきそうですね。

心理学を引用して男性とのコミュニケーションを円滑に!

佐藤:ちなみに心理学を学ばれたのはいつころですか?

砂原:出産後です。人に何かを教えるとき、「私はこう思う」ではなかなか通用しません。でも「『マズローの法則』でいうとね」とか「心理学者が言うにはね」と客観的に伝えることで、ちゃんと聞いてもらえるようになるんです。

佐藤:特に女性が男性とコミュニケーションする時は感覚だけで伝えようとして伝わらないことが多いので、大事なポイントになりますね。

砂原:そうです。理論が好きな男性には特に効果的ですね。

イメージチェンジは今すぐできる

理想を書き出して「求められる髪型」になる

佐藤:私、誰かに「砂原さんはどういう人?」と聞かれたら、「人をタレントにする人」だと答えると思うんです。芸能人をはじめミュージシャンやモデルなど、砂原さんに担当してもらうと次々とブレイクしますよね。

砂原:ありがとうございます。

佐藤:自分に自信がない人や、自分の魅力がわからない女性も多いと思うのですが、どうすれば自分をもっと輝かせることができるのでしょうか。

砂原:どんなに自分に自信がない人でも「何をしたいか」はありますよね。その理想を書き出してみて、理想の自分が「求められる髪型」にしていくことが重要です。

佐藤:求められる髪型というのは?

砂原:自分が理想とする姿をイメージしたときに、一番合っている髪型ということです。それがその人が一番輝く姿だから。若いうちから自分に似合う似合わないを決めつける必要はないんです。

佐藤:たしかに、一般の女性は「似合う髪型」に縛られすぎだと感じます。 そもそも「似合う髪型」はその人にとってひとつしかないものじゃなくて、何通りもありますよね。ショートはショートで似合う髪型が、ロングはロングで似合う髪型があるし。

砂原:そう。だからまずは似合うかどうかよりどうなりたいかを明確にするんです。 たとえば「仕事ができる女性」になりたいなら、仕事相手が自分を見たときに甘さを感じないように、襟足を切って前髪を作って…と、求められる要素から髪型に落とし込んでいくんです。

冒険しない女は錆びる

砂原:自分を輝かせるためにもうひとつ大事なのが、もっと「冒険」をするということ。冒険しないと女は錆びるんです。

佐藤:錆びる!それは困る!(笑)

砂原:周りには「美容師が勝手に変えちゃって」と美容師のせいにしていいから、どんどん髪型を変えてほしい。

佐藤:自分はこの髪型がいい、と信じてずっと同じ髪型の人って多いですよね。

砂原:「安全な髪型」をしている人は仕事も停滞してしまいます。自分への安全志向が仕事にも確実に伝播していくんです。もっともっと冒険して自分の人生を変えてほしい。じゃないと自分の時間がもったいないですよ。

佐藤:美容院に行かなくても、自分で気軽にイメチェンできることってありますか?

砂原:ありますよ。分け目を変えたり耳にかける髪を左右逆にしてみるだけでも、印象はずいぶん変わるし。もしくは耳の後ろにちょっと三つ編みした髪を垂らしてみるとか。

佐藤:三つ編みですか!私、人生で一度も三つ編みしたことない(笑)。

砂原:だから印象が変わっていいんですよ!

佐藤:いいんですか、40歳過ぎてから三つ編みしても(笑)。

砂原:三つ編みは年齢を選びません。佐藤さんも似合うと思います。今やっちゃいましょう!

佐藤:えっ!?

ピンの使い方だけでも、他人からの評価が変わる

砂原:おしゃれな雰囲気になりましたね。

佐藤:ほんとだ!見慣れない(笑)。

砂原:ピンも効果的に使えるアイテムです。茶系の髪であれば光沢あるゴールドでもいいし、黒でも構いません。こういうちょっとしたところを変えてあげることで、自分に変化が生まれるんですよ。そうすると他人からの見られ方や評価も変わるので、仕事のステージが一段上がるんです。

女性ならではの「揺れ感」で、魅力は高まる

佐藤:髪のアレンジ以外にも自分の魅力を高める方法はありますか?

砂原:仕事柄メイクも簡単に自分を変える方法だと思います。たとえばいつもよりチークを広めにするとか。

佐藤:色や濃さではなく「広さ」が大事なんですね。新しい感覚。

砂原:ピアスやイヤーカフで耳まわりに変化をつけるのもおすすめです。猫と男性は揺れるものが好きだといいますよね(笑)。

佐藤:男性がやらないことをやるのって、いいですよね。ヒールのある靴を履く、というのも女性ならでは。

砂原:そう!

佐藤:実は『道を継ぐ』を読んだ人の感想で、「ヒール履くことにしました!」という感想をもらったんです。ヒールを履くと気持ちが切り替わるんだって思いました。強く美しくなる秘訣は、毎日のちょっとした変化と冒険にあるんですね。

砂原:一人でも多くの女性が自分の変化を楽しんで、新しい自分に出会ってくれたら嬉しいです。

佐藤:今日はどうもありがとうございました。

撮影/中村彰男

対談を終えて

実はこの対談が終わった後、砂原さんの予約をとりました。「冒険しないと女は錆びる」という言葉にドキっとしたのと、砂原さんがカットしたことでその魅力を引き出されてスターになっていったタレントさんたちの顔が浮かんだからです。結果は、ですね…うふふ、です。またご報告します!(佐藤友美)

※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36176/

プロフィール

砂原由弥(すなはら・よしみ)

UMiTOS代表。都内有名店での勤務を経て、千葉県南房総市に美容室「海と砂原美容室」を、表参道にUMiTOSをオープン。専属の栄養士がスタッフに「まかないランチ」を提供したり、一流百貨店での接客研修を行うなど、食育やユニークな研修を取り入れ、業界内外から注目を集めている。ヘアメイクアップアーティストとしても、ファッション雑誌、美容業界誌、CM、ドラマ、PV、映画祭など多方面に活躍している。

佐藤友美(さとう・ゆみ)

日本初のヘアライター&エディター。ファッション誌やヘアカタログの「髪を変えて変身する企画」で撮影したスタイル数は4万人分を超える。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、セミナーや講演を聞いた美容師はのべ2万人を超え、これは全国の美容師の20人に1人の割合にあたる。著書に7万部突破のベストセラーとなった『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、発売即重版となった『道を継ぐ』などがある。

『道を継ぐ』とは?

49歳でスキルス胃がんによってその生涯を閉じた伝説の美容師・鈴木三枝子を描いたノンフィクション。今なお人々の心に残り、動かし続ける彼女のメッセージとはどのようなものなのか。1年半の歳月をかけ、191人の関係者に取材を敢行した先にたどり着いた「答え」は、働く女性にとって、強く心に響くものがある。「働き方・生き方を見直すきっかけになった」と、年代・世代を超えて感想が寄せられており、業界を超えて大きな反響を巻き起こしている。

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※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36176/
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