ホーム > 【『道を継ぐ』刊行記念対談】人生に迷ったらカリスマ女性美容師に聞け!GLAMOROUS代表TAKAKOさん(前編)~「いい目標」に出会えば、人生は変わる~

【『道を継ぐ』刊行記念対談】人生に迷ったらカリスマ女性美容師に聞け!GLAMOROUS代表TAKAKOさん(前編)~「いい目標」に出会えば、人生は変わる~


49歳でその生涯を閉じた伝説の美容師・鈴木三枝子さんを描いた『道を継ぐ』(アタシ社)が「私もこんな風に生きたい!」「女友達みんなに読ませたい!」と大反響。なぜいま、女性美容師の生き方がこれほどまで一般の女性に支持を受けているのでしょうか。『道を継ぐ』の著者の佐藤友美さんと、カリスマ的人気を誇る女性美容師さんの対談連載最終回です。

※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36187/

【前編】「いい目標」に出会えば、人生は変わる

今回のゲストは横浜市鶴見でGLAMOROUSのオーナー兼ディレクターをされているTAKAKOさん。『道を継ぐ』の主人公である鈴木三枝子さんに憧れ26歳の若さで店長となり、関わるお店を次々と繁盛店に変えてきました。そんなTAKAKOさんに、「ロールモデル」の重要性や部下の育成について伺いました。

女性には、生き方のロールモデルが必要

ロールモデルは美容雑誌の中にいた!

TAKAKO:鶴見までわざわざありがとうございます。

佐藤:TAKAKOさんとは、横浜での「女性美容師セミナー」で初めてお会いしたんですよね。

TAKAKO:佐藤さんが司会してくれたイベントですよね。あのときは盛り上がりましたよね。

佐藤:こんなに可愛らしい顔立ちなのに、経営者としてバリバリ働いていて、私より年上ってことに驚きました。

佐藤:女性美容師さんからの質問に次々答える姿もかっこいいなって。あのとき、TAKAKOさんが鈴木三枝子さん(注:『道を継ぐ』の主人公)の大ファンだと聞いたんですよね。

TAKAKO:はい。『道を継ぐ』、読みました!思った以上に自分は鈴木さんに影響を受けていることに気づきました。

TAKAO:例えば、私も姿勢が悪く見えるからカット椅子を使わないんですが、これも鈴木さんの教えです。『道を継ぐ』にこのエピソードが載っていて嬉しくなりました。

佐藤:どういうきっかけで鈴木さんのファンに?

TAKAKO:入社した頃、自分の会社にロールモデル(注:行動の模範、手本となる人)となる女性がいなかったんです。だからがむしゃらに美容業界の雑誌を見ていたんですが、そこで目に留まったのが鈴木さんだったんです。仕事に対する考え方、技術の高さ、何もかもかっこいい!と思って。

佐藤:女性にとって、「ロールモデル」を持つことは大事ですよね。

TAKAKO:大事だと思います、絶対に。ロールモデルという追いかけるべき存在があると、「努力の方向性」が明確になるんです。

なぜ、28歳で悩みがなくなったのか?

佐藤: TAKAKOさんの場合は雑誌で鈴木さんを見て目標としていたんですよね。ロールモデルはそのくらい「憧れの存在」のほうがいいのでしょうか?

TAKAKO:できれば、近くにいたほうがいいですよね。でも、私は雑誌の中の存在であったとしても、ずいぶん救われました。20代前半に技術で悩んだときも、雑誌で鈴木さんが「どんなカットでもできる、と自信が持てるようになったのは28歳のとき」と言っているのを見て「自分も28歳まで頑張ろう」と踏ん張れたんですよ。

佐藤:「鈴木さんと同じ28歳までに」という具体的な目標設定をしたことで、何か変わったことはありましたか?

TAKAKO:目標に向かって練習しまくろう、いろんなお客さまの要望に応えられるようになろうと意識するようになりました。すると、だんだん感覚がつかめるようになって。28歳のとき、「もうどんなカットでも大丈夫」と思うことができました。
私にとって距離は遠い人でしたけれど、鈴木さんの存在を目標にすることで、成長できたと思っています。

置かれた場所で咲くために、行動をする

佐藤:私はフリーランスですが、目標とする女性が特にいなかったんですよね。でも25歳で初めて鈴木さんに会ったとき、ブレのないかっこよさを感じて、職業は違うけれども「こういう人になりたい」と思ったんです。

TAKAKO:私の場合、鈴木さんが当時、人気美容室のSHIMAで女性ながらに店長になったと知って感激したんですよね。

佐藤:当時の美容業界は、今では考えられないくらい「男社会」でしたもんね。

TAKAKO:そう。うちのグループも店長は男性ばかりでしたが「女性でもやればできるんだ」って勇気をもらいました。私が店長を希望したのも、鈴木さんと同じ道を味わってみたかったからなんです。

佐藤:TAKAKOさんは東京に出ようと思ったことはないんですか?

TAKAKO:20代前半のときはありましたよ。でも、考えたんです。東京には有名な美容師がいっぱいいるけど、神奈川にはまだいないって。だから今のお店を大きくして、自分の名前も上げようと思ったんです。

佐藤:自分が置かれた場所で咲くために、積極的に行動されたんですね。

「倒産寸前」のお店で、自信をつける

TAKAKO:それで26歳のときに「新店舗の店長になりたい」と会社に直訴したんです。でも、最初は「女はすぐに辞めるしあてにならん、ダメだ」と却下されました。しかもある男性の同僚を店長として考えてると言われてカチンときて。「私の方が絶対にうまくやれます!」ってすごく主張しました。それでなんとかやらせてもらったんです。

佐藤:会社初の女性管理職から、店長になられたんですよね。

TAKAKO:実際に任せてもらったら、売り上げがものすごく上がったんですよ!でも立地のいい新店舗だったし、「もしかしてまぐれかな?」という思いもあったんです。

佐藤:自分の力ではないかもしれない、と。

TAKAKO:そうです。なので、業績も悪くて人も辞めてしまう「倒産寸前」のお店の店長候補を探していたときにまた手を挙げました。傾いているお店を立て直すのは、新店舗の店長とは違った難しさはありましたが、自分だけではなくてスタッフ全体の売り上げを上げることができて、二度目にしてようやく自信がつきました。

佐藤:実力が問われる場所でもちゃんと結果を出したということですね。今日はそのスタッフ教育について、もうちょっとつっこんで聞かせてください。

「年上部下」と「年下部下」の育て方はこう違う

腹が立ったときほど、「超低姿勢」で攻めろ!

佐藤:TAKAKOさんは店長を経験する前に、若くして管理職になっていらっしゃいますよね。部下の教育に苦労されたことはありますか?

TAKAKO:一番大変だったのが、22歳でチーフをやっていたときでした。部下が年上ばかりだったんです。

佐藤:最近では女性の管理職も増えて年上の部下を持つこともありますが、「意見を聞いてもらえない」など、コミュニケーションの仕方に悩んでいる人が多くいますね。

TAKAKO:正直に言うと、「もう少し頑張って欲しい」と苛立つこともありました。でも、同じ会社で働いている以上、敵にしてはいけないと思ったんです。自分が先に役職に立っただけで、年上の人たちともうまくやらないと、お店は成り立ちません。好き嫌いは言ってられないって。

佐藤:でも、自分と合わない人と付き合うのは疲れますよね。

TAKAKO:腹が立ったときこそ「超低姿勢」でいくんですよ。そこでケンカしたら、その事実がずっと残るし、険悪なムードになっちゃうから。

TAKAKO:だからむかついたときこそ、自分の気持ちを殺して「○○さんすごいですね~」などと言って相手を立ててから、「こうしてほしいんですけれど」と、自分の希望を伝えるようにしていました。

部下を育てたければ、4つの要素を経験させなさい

佐藤:一方で新卒社員など、若いスタッフの育成に悩んでいる女性も多くいますが、TAKAKOさんの場合、何か工夫されていることはありますか?

TAKAKO:うちのお店では、できるだけ若いうちに管理職を経験してもらっています。スタッフに20代が多ければ管理職は20代のほうがいいんですよね。「自分もできる」と思わせることが、教育をスムーズにしていくポイントになります。

佐藤:歳が近いから、目標になりやすいということですね。ロールモデルの重要性をここでも感じます。

TAKAKO:若い人に管理職をさせることのメリットは、それを見たスタッフに具体的な目標ができるだけではないんですよね。管理職を経験した本人自身も大きく成長します。

TAKAKO:個人プレイではなく、チームの中での活躍の仕方もわかりますし、なにより人間力が学べます。本当に人格が変わるくらい効果があるんですよ。

佐藤:女性は管理職につけるとストレスが溜まってのびのび仕事ができなくなるという話も聞きますが、どうでしょうか。

TAKAKO:私は、私自身が管理職になってすごく成長したと思っているので、女性でもぜひ経験させたいと思っています。

TAKAKO:何が一番違うって、管理職になると、自分の売り上げが上がっても会社に認めてもらえないことなんですよね。役職を担った以上、スタッフが育って成長しないと認められない。個人の能力だけではなく、チーム作りの能力も鍛えられますよね。

佐藤:確かに30代で一度伸び悩んだ人が、管理職になった瞬間に突然再び成長していく姿を私もよく目の当たりにしてきました。

TAKAKO:「教える」「育てる」「見られる」、あとは「責任」。この4つの要素は美容師に限らず、人材育成において本当に大事だと思います。意識して役職を与えることが若手を大きく成長させるんですよね。

後編に続く
撮影/中村彰男

※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36187/

プロフィール

TAKAKO(たかこ)

大手サロングループC-LOOP UNITEDにおいて、女性最年少でチーフに就任。店長を歴任して独立し、神奈川県横浜市鶴見にGLAMOROUSをオープン。各所で研修やセミナーを行う傍ら、自身も技術を学ぶため毎年海外に出張している。サンフランシスコにある世界的にも有名なGINA KHAN SALONにてハイライトカラーの技術を習得。 お客さまを魅力的にすることをモットーに、一生涯付き合える美容師を目指し活動している。

佐藤友美(さとう・ゆみ)

日本初のヘアライター&エディター。ファッション誌やヘアカタログの「髪を変えて変身する企画」で撮影したスタイル数は4万人分を超える。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、セミナーや講演を聞いた美容師はのべ2万人を超え、これは全国の美容師の20人に1人の割合にあたる。著書に7万部突破のベストセラーとなった『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)、発売即重版となった『道を継ぐ』などがある。

『道を継ぐ』とは?

49歳でスキルス胃がんによってその生涯を閉じた伝説の美容師・鈴木三枝子を描いたノンフィクション。今なお人々の心に残り、動かし続ける彼女のメッセージとはどのようなものなのか。1年半の歳月をかけ、191人の関係者に取材を敢行した先にたどり着いた「答え」は、働く女性にとって、強く心に響くものがある。「働き方・生き方を見直すきっかけになった」と、年代・世代を超えて感想が寄せられており、業界を超えて大きな反響を巻き起こしている。

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※当記事はHAIR(hair.cm)からの転載記事です。(元記事:https://hair.cm/article-36187/
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