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ファンベースと、お客さまは神様ですは、全然違います


スタッフと既存顧客からはじめるファンベース

 
最近、いろんな場所で「ファンベース」という言葉を聞くようになりました。そのせいか、ちょっと「ファンベース」という言葉が、その本質を理解されないまま一人歩きしている部分もあると思います。

私が、美容師さん向けの講演や勉強会でよく聞かれるのは、
「ファンベースって、お客さま第一主義ってことですよね?」とか
「つまり、お客さまにヒアリングしたり、アンケート調査したりして、その希望を体現できるサロンにすればいいんですよね?」
「新規顧客よりも、VIP客やロイヤルカスタマーに対して、手厚いサービスをすればいいんですよね?」
といった質問です。

でも、それは、ファンベースのもとの意味合いからすると、ちょっと違います。

「ファンベース」の「ファン」とは、「あなたのサロン(orあなた自身)が大事にしている価値観に共感し、それを応援してくれる人」のことを指すそうです。
だから、お客さまのいうことをなんでもかんでも聞いてしまうような、「お客さまは神様です」的な態度をとることとは、違います。

例えば、あなたのサロンが、高級感や非日常感を大事にしていて「ここにきたらお姫様のような時間が過ごせる」というサロンを目指しているのであれば、その価値観を大事にするべきです。
お客さまが安くしてほしいとか、赤ちゃんを連れてきていいかとなどと言ったときに、それがあなたのサロンの目指す方向や、あなたのサロンが選ばれている理由に反するのであれば、それはどんなに来店頻度の高いお客さまでも断らなくてはなりません。
そのようなお客さまは、あなたのサロンの「ファン」ではありません。

一方で、ファンの人たちが、あなたのサロンのどこに魅力を感じているのかは、丁寧に話を聞く価値があります。
みなさんのサロンの何に惚れてリピートしているのか、どこを他のサロンと違うと感じているのかを聞くことで、自分たちの技術やサービスをより尖らせたり、より洗練させたりすることができるでしょう。

最近、いろんな企業やブランドが行なっている取り組みに「ファンミーティング」があるそうです。自社のファンの顧客を数名から20〜30名程度集めて、商品やブランドについて語ってもらう時間をとるのです。
『ファンベース』の作者、佐藤尚之(さとなお)さんが言うには、このファンミーティングをする時には、ひとつ大事なことがあって、それは「交通費や謝礼、お土産などを極力を出さない」ことなんだそうです。
つまり、自腹で、自分の時間を割いてでも、その企業やブランドのために役に立ちたいと思う人たちの話を聞くべきなんだとか。

美容業界では、ファン感謝デーのような、VIP客向けの招待イベントをしたことがあるという話はよく聞きますが、こういったファンミーティングをしたことがあるという話はあまり聞いたことがありません(もし、ご存知でしたら教えてください)。

もし、「ファンミーティング」を企画されるなら、ぜひ、スタッフのみなさん全員で参加されるといいと思います。日頃、自分たちの仕事がどのようにお客さまに影響を与えているのかを知る、いい機会になると思います。
お客さまの本音が聞け、しかもスタッフのモチベーションアップの場にもなる(可能性が高い)「ファンミーティング」。次回は、その具体的な事例をご紹介します。

 

スタッフと既存顧客からはじめるファンベース

佐藤友美(美容ライター)【マーケティング/経営】
著書『女の運命は髪で変わる』で話題の美容ライター佐藤友美が、今美容室が取り組むべき”伝わらない時代のコミュニケーション”「ファンベース」にフォーカスしたコラム。
コラムはこちら

佐藤友美(さとゆみ・美容ライター)
日本初、かつ唯一のヘアライター&エディター。MINXの故鈴木三枝子さんについて関係者191名に取材してまとめた最新著作『道を継ぐ』が、美容業界を超えて話題に。また、『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)は、NHK「あさイチ」でも特集され、7万部の大ヒットに。「美容業界と一般のお客さまの橋渡しになる」ことをミッションに、数々の企画を担当する。
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